2026/7/17
如意の長老、安藤さんからは、折にふれてお手紙をいただきます。この七月に入ってからも、心のこもった丁寧なお便りを頂戴しました。間もなく百歳を迎えられますが、その文面にはいつも深い思いや人生がにじみ、読むたびに心を動かされています。
安藤さんは長年、本業の傍ら農業に携わり、大地の恵みを慈しみながら数多くの農作物を育ててこられました。とりわけ、さつまいもへの造詣は深く、地域の第一人者として知られる存在です。また、若き日には満州で暮らされたご経験もあり、激動の時代を生き抜いてこられました。その折々のお話を伺うことは、私にとって何ものにも代えがたい学びです。そして、かつて学区の区政協力委員長を務められたこともおありで、地域の成り立ちや経緯などについてご教示いただくこともあります。淡々と語られる言葉の一つ一つに、長い人生を歩まれた方ならではの重みがあり、いつも多くの気づきをいただいています。
一世紀近くを生きてこられた安藤さんにとっても、近年の猛暑は「これまでに経験したことのない暑さ」と感じておられるのではないでしょうか。気候の変化は、長年自然と向き合ってこられた方ですから、いっそう肌で感じておられるように思います。
そんな安藤さんの農作業を、二年ほど前からベトナム出身の若い方が手伝っておられたそうです。しかし、その方はこの春、突然帰国されることになったと伺いました。国も違い、世代も違うお二人が、同じ畑で汗を流し、ときに片言の日本語を交えながら過ごされた日々は、どのような時間だったのでしょう。私には想像するほかありませんが、ひたむきに働く若者の姿に、安藤さんは古き良き日本の美徳を重ねておられたのかもしれません。そして、そこにはきっと、国境や年齢を超えて、人と人とが心を通わせる、温かな交流が育まれていたのでしょう。
人生百年時代と言われますが、百年近い歳月を誠実に歩んでこられた方の言葉には、本やインターネットでは得られない厚みがあります。先輩方の経験談は、まさに地域の知恵の宝庫です。その貴重なお話をこれからも真摯な気持ちで伺い、受け継いだ知恵を私自身の歩みに生かしていきたいと思います。そして、その知恵を一つでも多く次の世代へ伝えていくことが、私たち世代の役割でもあると感じています。
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ハットリ マサヤ/57歳/男
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