2026/7/17
つくば市【電子投票を構造から考える】7月17日(金)~視察で考えが変わった日。~
つくば市議会議員の ひぐち ゆうだい です。
7/15大阪府四條畷市で、タブレット端末を活用した電子投票について視察してきました。
今回の視察では、電子投票という制度そのものだけではなく、「制度を導入する目的とは何か」を深く考えさせられる、大変有意義な機会となりました。
【① 視察前の私の考え】
実は、視察前の私は電子投票に対して前向きな考えを持っていました。
その理由は、
✅ 開票時間を短縮できる
✅ 職員の負担を軽減できる
✅ デジタル化によって選挙事務が効率化する
という、行政運営の効率化を期待していたからです。
「紙からデジタルへ変わるのだから、当然メリットは大きいだろう。」
そんなイメージを持って視察に臨みました。
【② 実際に視察して分かったこと】
しかし、実際に現場のお話を伺うと、私のイメージとは違う現実がありました。
■ 開票時間は思ったほど短縮されない
私は、紙の投票用紙を数える必要がなくなるため、大幅に開票時間が短縮されると思っていました。
しかし、四條畷市で令和6年12月に実施された市長選挙と市議会議員補欠選挙では、
・市長選挙の開票時間は前回と同じ約1時間40分
・市議会議員補欠選挙は約20分短縮されたものの、それでも約1時間40分
という結果だったそうです。
もちろん、初めての導入ということもあり、立会人への説明など通常以上に時間を要した面もあったとのことでした。
それでも、私が想像していたような「劇的な時間短縮」には至っていませんでした。
■ 職員の負担も単純には減らない
私は、「開票作業が減る=職員の負担も減る」
と思っていました。
しかし実際には、投票所では、
・タブレット操作の案内
・端末の管理
・パスワード解除
・機器トラブルへの対応
など、新たな業務が発生します。
つまり、開票所の負担は減る一方で、投票所の負担は増える。
結果として、職員全体の負担が大きく軽減されるわけではないというお話でした。
■ 導入には費用もかかる
電子投票では、タブレット端末やシステムの導入・保守など、新たな費用が発生します。
便利な仕組みではありますが、「デジタル化=コスト削減」という単純な話ではなく、費用対効果を慎重に見極める必要があると感じました。
【③ 一番勉強になったこと】
今回、一番印象に残ったのは、私と四條畷市選挙管理委員会では、電子投票を見る視点が全く違っていたことです。
私は、
「開票時間を短縮したい」
「職員の負担を減らしたい」
という、行政側の効率化ばかりを考えていました。
しかし、四條畷市選挙管理委員会の皆さんが最も大切にしていたのは、
「1票でも無効票を減らすこと」でした。
紙の投票では、
・漢字を書き間違える
・字が判読できない
・書き損じてしまう
こうした理由で無効票になる可能性があります。
電子投票では、候補者名を画面から選択するため、こうしたミスを防ぐことができます。
つまり、市民の大切な一票を、できる限り無効にしない。それこそが電子投票を導入した最大の目的だったのです。
この話を伺ったとき、私は自分の着眼点が少しずれていたことに気付きました。
私は、行政側の利便性を中心に考えていました。
一方で、四條畷市選挙管理委員会は、市民の権利を守ることを最優先に考えていました。
もちろん行政効率も重要です。
しかし、それ以上に「市民の一票を守る」という視点
は、私にとって大きな学びとなりました。
【④ つくば市で考えたときの課題】
今回電子投票が実施されたのは、市長選挙と市議会議員補欠選挙でした。
いずれも立候補者数が少なく、タブレット画面への候補者表示について大きな問題はありませんでした。
しかし、この仕組みをそのままつくば市に当てはめると、新たな課題も見えてきます。
つくば市議会議員選挙では、毎回40名を超える候補者が立候補し、前回も約45名が立候補しました。
今回視察したシステムでは、1画面に表示できる候補者数には限りがあるとの説明を受けました。
そうなると、
・何ページにも分けて表示するのか。
・五十音順でページ送りをするのか。
・検索機能を設けるのか。
など、新たな検討事項が生まれます。
また、最初の画面に表示される候補者と、最後のページに表示される候補者では、有権者の探しやすさや印象に違いが生まれないのかという視点も必要です。
紙の投票では候補者一覧を一度に見ながら記入できますが、電子投票では画面の構成そのものが投票行動に影響を与える可能性もあります。
つまり、四條畷市でうまく運用できている仕組みが、そのままつくば市でも最適とは限りません。
自治体の規模や候補者数によって、検討すべき課題は大きく変わることも改めて感じました。
【⑤ 視察を終えて】
今回の行政視察で私が学んだのは、制度には必ず「目的」があるということです。
私は電子投票を、
「行政を効率化する制度」という視点で見ていました。
しかし、四條畷市選挙管理委員会は、「市民の一票を守る制度」という視点で取り組んでいました。
この視点の違いに気付けたことが、今回の視察で一番の収穫でした。
行政視察は、他自治体の制度をそのまま真似するために行くものではありません。
現場で担当者の思いや課題を聞き、
「つくば市だったらどうだろう?」
「本当に市民のためになるだろうか?」
と考えることに大きな価値があると思っています。
これからも「構造から考える」という姿勢を大切にしながら、制度の表面だけではなく、その目的や本質まで考え、つくば市にとって本当に必要な政策を提案していきます。
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