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【AIを議員秘書にする方法】現役府議が実践するClaude活用最初の15分設定——議会質問・住...

2026/5/23

Claudeを「自分専用の議員秘書」に変える設定術
AIと政治の最前線にいる現役府議が教える、最初の15分でやるべきこと

by 道端俊彦(大阪府議会議員/河内長野市選出)

はじめに断っておきます。

これは「AIを使いましょう」という啓発記事ではありません。

私は大阪府議会議員として日々の議員活動をしながら、ウェブマーケティングとSNSの講師もしています。つまり、AI活用を「教える側」にいる人間です。

そんな私が正直に言います。

Claudeを設定もせずに使っている議員・議員スタッフは、全体の9割以上だと思います。これは才能やリテラシーの話ではありません。「設定の存在を知らないまま使っている」だけです。

今回は、現役議員の実体験をもとに、Claudeを「汎用チャットAI」から「自分専用の議員秘書」に変えるための設定術を、コピペで使える形でお届けします。

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■ なぜ議員活動にClaudeなのか
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まず、「なぜChatGPTではなくClaudeか」を整理しておきます。

理由は3つあります。

・長文の文脈保持に強い
議会質問の原稿、政策資料の要約、住民への説明文など、議員の仕事は長い文書を扱うことばかりです。Claudeは長い文脈を保ったまま思考してくれるので、「途中で話が飛ぶ」というストレスが少ない。

・忖度せず、論理の穴を指摘してくれる
議員が陥りがちな罠のひとつが「自分に都合のいい情報だけを集める」こと。Claudeはお世辞が比較的少なく、質問の組み立てや政策の論点に穴があれば素直に指摘してきます。これが議会質問の準備で特に活きます。

・記憶していることを明示してくれる
Claudeは過去の会話を参照するとき「以前お伝えいただいた○○の件ですが」と明示します。何を把握していて何を知らないかが見えるので、秘書として信頼して使えます。

私自身、議会の委員会質問準備、住民対応の文章作成、文章の生成、アイデアの整理など、日常的にClaudeを使っています。設定を整えてからは、作業時間が体感で3割以上減りました。

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■ まず最初に必ずやる「情報漏洩対策」
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議員活動では、住民の個人情報や政治的に機密性の高い情報を扱います。本題に入る前に、必ずここだけは設定してください。

手順:左下のアイコンをタップ → 設定 → プライバシー

この画面で、以下をオフにしてください。

1. Claudeの改善にご協力ください

「Claudeの改善にご協力ください」をオンのままにしておくと、会話内容がAIの学習データとして使われる可能性があります。住民相談の内容や政治的な判断の記録が学習データになるのは避けたい。必ずオフにしてから使い始めてください。

これで準備完了です。では本題へ。

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■ Claudeのカスタマイズ機能:4つのレイヤー
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Claudeには4つのカスタマイズレイヤーがあります。議員活動への当てはめ方と一緒に整理します。

▼ レイヤー1:ユーザー設定(プロファイル)
・場所:設定 → 一般 → Claudeへの指示
・範囲:すべての会話に自動適用
・用途:自分の役職、選挙区、活動スタイルなど変わらない基本情報
・全プラン(無料含む)で利用可能

▼ レイヤー2:プロジェクト(Projects)
・場所:サイドバーの「プロジェクト」
・範囲:そのプロジェクト内の会話だけに適用
・用途:委員会活動ごと、政策テーマごと、選挙対策など案件別に分ける
・全プランで利用可能(無料プランは5つまで)

▼ レイヤー3:スタイル(Styles)
・範囲:会話ごとに切り替え可能
・用途:議会質問用の硬い文体、SNS用の柔らかい文体など場面別に切り替える
・全プランで利用可能

▼ レイヤー4:メモリ(Memory)
・範囲:会話を重ねるごとに自動で蓄積
・用途:自分の政策スタンス、よく使う表現、活動上の優先事項を覚えさせる
・2026年3月から全プラン(無料含む)で利用可能に

議員がまず手をつけるべきはレイヤー1のユーザー設定です。ここを整えるだけで、毎回の前提説明が不要になります。

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■ 議員向けユーザー設定テンプレート(コピペOK)
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設定場所:左下のアイコンをタップ → 設定 → 一般 → Claudeへの指示

[ ]の部分だけご自身の情報に書き換えてください。

━━ここからコピー━━

【私について】
私は[都道府県・市区町村]議会の議員([会派名])です。
選挙区は[地域名]で、[任期・当選回数]目の任期中です。
主な活動テーマは[例:福祉・教育・地域経済・防災など]です。
秘書・スタッフは[いる・いない]ので、[多くの文書作成を一人で担っています/補助的な確認作業に使います]。

【応答ルール】
・結論を最初の2〜3文で書いてください。その後に根拠と具体的な文案を続けてください。
・「もちろんです」「素晴らしい質問ですね」などの定型的な前置きは省略してください。
・文書作成の依頼では、すぐに使えるドラフトを出してください。「どのような文体がよいですか?」など確認を挟まずに、まず書いてください。
・事実と推測を明確に区別してください。法令や制度に関することは「確認が必要です」と明示してください。
・私の政策スタンスや発言の論理に穴があれば、遠慮なく指摘してください。

【活動の前提条件】
・大阪府(または[都道府県名])の制度・条例・予算が基本前提です。
・住民への説明文は[ですます調/丁寧だが親しみやすいトーン]で書いてください。
・議会質問や委員会質問の原稿は、根拠となるデータや法令の確認を促してください。
・SNS投稿は、専門用語を使わず、中学生でもわかる言葉で書いてください。

【避けてほしいこと】
・教科書的な「議員のあるべき姿」の説教は不要です。実際に使える文案・構成を出してください。
・政治的に中立であることを理由に、具体的な提言を避けないでください。私の政策スタンスに基づいて踏み込んで考えてください。
・住民対応の文章では、紋切り型の行政文体ではなく、人の心に届く言葉を選んでください。

━━ここまでコピー━━

文字数の目安は500〜800文字程度。これ以上長くすると、会話本文に使える容量を圧迫します。案件固有の詳細情報は、次のプロジェクト機能に振り分けてください。

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■ 議員がClaudeで実際に何をしているか
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設定の話だけでは実感が湧かないと思うので、私が実際にClaudeを使っている場面を具体的に書きます。

▼ 委員会質問の準備
質問したいテーマの背景情報を貼り付けて「この論点で行政に問える質問を5つ組み立ててください」と指示します。ポイントは「行政が答えにくい角度」も含めて考えさせることです。論点の穴を指摘してもらう壁打ち相手として使うと、質問の精度が上がります。

▼ 住民相談への返答文作成
「〇〇の件でご相談がありました。状況は以下の通りです。丁寧かつ具体的な返信文を作成してください」と状況を貼り付けるだけで、ドラフトが返ってきます。個人情報は削除・匿名化してから入力することを徹底してください。

▼ SNS投稿文の生成
「今日の委員会でカスタマーハラスメントについて質問しました。以下の内容をInstagram向けに、難しい言葉を使わず300文字以内で書いてください」といった形で使います。写真に添える文章の量産に特に役立ちます。

▼ 政策資料の要約・比較
他の自治体の先進事例のURLや資料を貼り付けて「わが市(府)の現状と比較して、取り入れられる点を整理してください」と指示します。調査報告書を読む時間が大幅に短縮されます。

▼ 選挙・後援会活動の文書
後援会向けの案内文、ご挨拶の手紙、ポスターのキャッチコピー案など、毎回ゼロから書いていた定型文書がClaudeで一気にドラフトできます。「堅くなりすぎず、人柄が伝わるトーンで」と指示を加えるのがコツです。

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■ プロジェクト機能:議員活動への当てはめ方
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ユーザー設定の次に手をつけたいのがプロジェクト機能です。業務ごとにフォルダを作るイメージで、以下のような分け方が実用的です。

・「委員会活動」プロジェクト
担当委員会の所管分野、過去の質問記録、参考にしている法令・条例

・「政策テーマ別」プロジェクト(例:福祉、教育、防災など)
各テーマの先進事例、自分の政策スタンス、関連データ

・「選挙・広報」プロジェクト
選挙公約、後援会向けの文書テンプレート、SNS運用の方針

・「住民対応」プロジェクト
よくある相談事例(匿名化済み)、対応の定型文、紹介できる窓口一覧

・「議員活動全般」プロジェクト
活動報告の下書き、日程調整のやりとり、取材対応メモ

プロジェクト内には関連資料(PDF、Wordなど)をアップロードしておけます。毎回「背景はこうです」と説明しなくて済むので、会話がすぐに本題に入れます。

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■ メモリ機能との付き合い方(議員特有の注意点)
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メモリ機能は、会話の中で出てきた情報をClaudeが自動で覚えていく機能です。2026年3月から無料プランでも使えるようになりました。

「私の選挙区は河内長野市です」「主な政策テーマは教育と福祉です」といった情報は自然に覚えてくれるので、毎回説明する手間が省けます。

ただし、議員活動には特有の注意点があります。

・住民の個人情報が混入しないよう気をつける
住民相談のやりとりで出た個人名・住所・家族構成などが、意図せずメモリに保存されることがあります。相談内容を入力する際は必ず匿名化・抽象化してください。

・政治的に機密性の高い情報はメモリに残さない
選挙戦略、支持者との関係、候補者の動向など、外部に出ると困る情報は「この会話内容は記憶しないでください」と一言添えるか、会話後にメモリから手動で削除してください。

・確認方法:設定 → 機能 → メモリ
ここでClaudeが何を記憶しているか確認・編集できます。月に一度は見直す習慣をつけることをおすすめします。

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■ 議員特有の「上級活用術」
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基本設定が整ったら、以下の追加指示をユーザー設定またはプロジェクトに加えることで、さらに活用の精度が上がります。

▼ 質問準備モードの指示

「委員会質問を準備したい」と言った場合は、以下の順序で整理してください:

1. 論点の整理(何を明らかにしたいか)
1. 行政側が想定する答弁
1. その答弁に対する追及の角度
1. 根拠として使えるデータや先進事例
1. 私が事前に確認すべき事実

▼ 文書作成モードの指示

「文章を書いて」と言った場合は、確認を挟まずすぐにドラフトを出してください。修正はドラフトを見てから指示します。一発目から完璧でなくてよい。

▼ 壁打ちモードの指示

「壁打ちしたい」と言った場合は、結論を出さず、私の考えへの質問・反論・別視点の提示に徹してください。

議員の仕事は、「まず考えを広げる時間」と「決断して文章に落とし込む時間」を行き来します。この区別をClaudeに教えておくと、欲しい応答が一発で返ってくるようになります。

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■ やってはいけない5つの設定ミス
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▼ ミス1:「政治的に中立に答えてください」と書く

中立指示を入れると、ClaudeはあらゆるテーマについてAとBの両論を並べるだけになります。議員として自分のスタンスで活動するためのツールですから「私のスタンスに基づいて踏み込んで考えてください」と書く方が正解です。

▼ ミス2:「わかりやすく書いてください」だけ書く

「わかりやすい」の定義は人によって違います。「中学生でもわかる言葉で」「専門用語は使わず」「一文を40文字以内で」など、具体的に指示してください。

▼ ミス3:住民情報を匿名化せずに入力する

個人名・住所・家族状況などの個人情報をそのまま貼り付けるのは絶対に避けてください。「60代女性、南部地区在住」のように抽象化してから使うのが鉄則です。

▼ ミス4:選挙関連情報をメモリに任せる

選挙戦略や対立候補の動向など、外部に出ると問題になる情報はメモリに残さない設計で使ってください。プロジェクトのアクセス権限も含めて管理を意識してください。

▼ ミス5:設定したまま半年放置する

任期の節目、委員会の所属変更、選挙の前後など、議員活動は変化し続けます。ユーザー設定も3〜6か月に一度は見直してください。以下の一言でClaudeに改善案を出させるのが最も手軽です。

「最近の私との会話を振り返り、現在の私のユーザー設定に改善すべき点があれば指摘してください。」

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■ 設定の優先順位:段階別ガイド
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▼ 最初の5分でやること

プライバシー設定をオフにして、ユーザー設定テンプレートをコピペし、自分の情報に書き換える。これだけで毎回の前提説明が不要になります。

▼ 次の5分でやること

「質問準備モード」「壁打ちモード」「文書作成モード」の3つの指示を追加する。これでClaudeが議員活動の文脈に沿った応答を返すようになります。

▼ 最後の5分でやること

委員会、政策テーマ、選挙・広報の3つのプロジェクトを作成し、関連資料をアップロードする。ここまで整えると、Claudeは本当に「秘書」として機能し始めます。

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■ 最後に
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議員の仕事は、誰かが教えてくれるものではありません。

質問原稿、住民対応、SNS発信、政策研究、後援会活動——すべてをひとりで、あるいは小さなチームでこなしながら、4年に一度の選挙も戦う。

そのなかでAIを「正しく設定して使う」か「設定もせずなんとなく使う」かの差は、1年後に気づいたときには大きな差になっています。

最初の15分の手間をかけるかどうかの話です。

私は議員として、そしてAI活用の講師として、その差を毎日目の前で見ています。

この記事の設定を、今日コピペするところから始めてみてください。


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著者

みちばた 俊彦

みちばた 俊彦

肩書 大阪府議会議員 おおさか未来プロジェクト
党派・会派 無所属

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