2026/7/19
大阪市・八尾市・松原市・守口市のごみ処理を担う大阪広域環境施設組合で、焼却処理がひっ迫しています。
まず八尾市民の皆さんにお伝えしたいのは、いま直ちに八尾市のごみ収集が止まるという話ではないということです。
一方で、今回の問題を単に「4市のごみが増えたから仕方がない」で終わらせてはいけません。市別の搬入実績、計画値、焼却能力、工場停止、整備の先送り、情報共有の経過を重ねると、施設運用上の問題が見えてきます。
大阪広域環境施設組合の令和7年度事業概要に掲載された、令和5年度から6年度の市別ごみ処理量は次のとおりです。

4市全体では6,251トン増えています。しかし、大阪市は7,573トン増えた一方、八尾・松原・守口の3市は合計1,322トン減っています。
つまり、この比較期間における4市全体の純増は大阪市の増加で説明でき、他の3市の減少がその一部を相殺しています。
だからといって、今回のひっ迫を「全部大阪市の責任」と決めつけることも正確ではありません。ごみ量だけでなく、焼却場をどのように運用してきたのかを見る必要があります。
組合の公表文は、構成4市から搬入されるごみ量が「増加傾向」と一括りに説明しています。しかし、市別の増減は掲載されていません。
また、組合の説明資料で旧推計83.7万トン、実績約88.4万トンとして具体的に示されたグラフは大阪市分です。八尾・松原・守口の市別推移は示されていません。
4市すべてで同じようにごみが増えていると受け取られかねない表現です。最初の公表時に市別内訳を添えていれば、こうした誤解は避けられたはずです。

組合の説明資料では、令和7年度の4市合計搬入量は約100.3万トン。令和2年3月の施設計画上の推計94.9万トンより約5.4万トン多いとされています。
大阪市分は、旧推計83.7万トンに対して実績約88.4万トン。差は約4.7万トンです。概数ベースでは、旧推計との差約5.4万トンのうち、約87%が大阪市分となります。
しかし、同じ約100.3万トンを令和7年度一般廃棄物処理実施計画の1,032,887トンと比べると、実績は約3万トン少ないことになります。
ごみ減量政策を検証するなら、旧施設計画との比較には意味があります。しかし「なぜ焼却場が処理できなかったのか」を検証するなら、その年度に処理すると見込んでいた実施計画との比較も欠かせません。

鶴見工場の建替え着手により、2023年4月以降、組合全体の定格処理能力は日量4,000トンから3,800トンへ低下しました。200トン、率にして5%の減少です。
稼働中の6工場のうち、西淀工場と八尾工場は供用31年、舞洲工場は25年、平野工場は23年です。能力を落とした期間に老朽設備を使い続ける以上、突発停止への備えと計画停止の組み方が重要になります。
さらに組合は、受入れ継続を最優先し、整備工事の期間・範囲の見直しや一部整備の先送りを行ったと公表しています。これは組合自身が認めている運用判断です。組合の公式公表
ピットがひっ迫する。受入れを優先して整備を縮小・先送りする。故障リスクが高まる。故障すれば処理能力が落ち、さらにピットがひっ迫する――。こうした悪循環を断つ必要があります。
平野工場では、ごみが焼却炉への投入ホッパー付近まで積み上がり、9つのごみ投入扉のうち7つが使えない状態と説明されました。搬入車の待ち時間が延びれば、収集車が地域へ戻る時刻も遅くなります。
また公開された定期整備予定表を単純に重ねると、7月12日から15日は、舞洲・八尾・東淀の各炉で合計日量1,700トン分が予定停止の範囲に入ります。定格能力3,800トンの約45%です。これは予定表上の計算であり、実際の稼働記録は別途確認が必要ですが、大きな停止の重なりが予定されていたことは分かります。

7月15日に組合議員らが受けた説明では、組合は6月下旬に厳しいひっ迫を認識し、7月9日に管理者である大阪市長へ報告。7月10日以降に八尾市担当部局への情報提供と説明調整を始め、13日にホームページで公表、八尾市選出の組合議員3名への直接説明と質疑は15日でした。
一方、私が7月14日に八尾市の環境部長と担当課長へ直接確認した時点では、両者は本件の詳細を把握できておらず、報道を受けて事実確認と対応に追われていました。
組合側では「連絡を始めた」ことになっていても、市民からの問い合わせに対応する責任者へ、必要な情報が実際に使える状態で届いていたのか。この点は検証が必要です。
組合議会22議席の内訳は、大阪市15、八尾市3、松原市2、守口市2。管理者は大阪市長、副管理者は八尾市長です。大阪市の人口とごみ量が圧倒的に大きいため、この構造自体には合理性があります。
だからこそ、大阪市側への説明だけが先行し、他の構成市や議員が後から知ることのないよう、危機情報を同時に共有する手順が必要です。

7月15日時点で、八尾市のごみ収集停止は決まっていません。
工場への搬入待ちにより、普段より収集時刻が遅れる可能性はあります。ただし、午前8時30分までに出されたごみは、当日中に収集する運用を維持すると説明されています。
今回確認した資料には、ごみ料金の値上げ決定は記載されていません。
一方、外部処理の受入先、数量、処理単価、運搬費、4市の負担方法は未確定です。外部処理費が発生すれば、将来の分担金を通じて構成市の財政へ影響する可能性があります。
令和6年度の搬入量比率は、大阪市約88%、八尾市6.2%、松原市2.8%、守口市3.0%です。ただし、これがそのまま外部処理費の負担割合になると正式決定したわけではありません。

組合の説明では、計画停止が少なくなる12月中旬以降、各工場を通常に近い能力で運転できるため、ひっ迫は基本的に改善する見込みです。ただし、ピット貯留量がいつ通常水準へ戻るのか、具体的な時期は今回の資料では示されていません。
私が組合に求めたいのは、4市を一括りにした抽象的な説明ではなく、次の情報を公平に公開することです。
ごみの減量や分別への協力は必要です。しかし市民へ協力を求めるなら、どの市で搬入量が増え、なぜ処理能力が不足し、施設をどう運用し、費用を誰が負担するのかも、同じ精度で説明すべきです。
4市民を一括りにせず、原因・運用・負担を具体的に示す。それが広域行政に求められる説明責任だと考えます。
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ホーム>政党・政治家>稲森 洋樹 (イナモリ ヒロキ)>【八尾市】ごみ収集が遅れる?「4市でごみ増」では説明できない焼却場ひっ迫