2026/6/10
きりマンジャロ。

実業家の溝口勇児氏が出資して人気キャバ嬢のゆいぴす氏がアンバサダーを務めるオンライン処方サービスが話題を集めている。当該サービスはダイエット目的でマンジャロを処方するビジネスである。本来、マンジャロは2型糖尿病患者の血糖管理を目的として開発された薬だが、高い体重減少効果が注目され、美容やダイエット目的で自由診療により処方されるケースが急増している。SNSやインターネット広告では「楽に痩せられる薬」として紹介されることも多く、その是非が社会問題となっている。
問題を整理すると、医師が自由診療でマンジャロを処方することや患者が処方を受けて減量目的で使用すること自体は現行法上直ちに違法ではないという点である。医師には一定の裁量権が認められており、承認された効能以外の目的で薬を使用する適応外処方も一定の条件下では認められている。しかし、「違法ではない」ことと「適切である」ことは別問題だ。安全性への懸念は小さくない。マンジャロには吐き気や嘔吐、下痢といった副作用のほか膵炎や胆嚢疾患など重篤な症状を引き起こす可能性も指摘されている。糖尿病患者に対しては有効性とリスクが慎重に評価されている一方、美容目的の利用については十分な検証が行われているとは言い難い。特に短時間のオンライン診療のみで安易に処方されるケースについては医療の質や患者安全の観点から疑問の声が上がっている。また、SNSを通じた転売や個人間取引の拡大も深刻だ。処方薬が本来の流通経路を外れて売買されれば保管状態が不明な薬剤や偽造品が市場に出回る危険性が高まる。近年は実際に違法転売事件が摘発されており規制強化を求める声も強まっている。加えて見逃せないのが、副作用被害救済制度との関係である。自由診療による適応外使用の場合、公的な救済制度の対象外となる可能性があり健康被害が生じても十分な補償を受けられないケースが考えられる。利用者は痩せる効果だけでなくこうしたリスクも理解しなければならない。
肥満は糖尿病や心血管疾患の原因となる重要な健康課題であり医学的に減量治療が必要な患者も存在する。問題は医療上の必要性に基づく治療と単なる美容目的の利用との境界が曖昧になっていることである。マンジャロ問題の本質は薬そのものではなく、それを取り巻く医療のあり方にある。自由診療の名の下に安易な処方が横行すれば医療への信頼は損なわれる。患者の利益と安全を最優先に据えた適正な処方体制を確立することが急務ではないだろうか。
#マンジャロ #ゆいぴす #自由診療による適応外使用
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