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【川越市議会】なぜ2件の問責決議案が出たのか?小林透議員に直接聞きました

2026/7/27

2026年6月の川越市議会で、2人の議員を対象とする問責決議案が相次いで提出されました。

1件は「小林透議員に対する問責決議案」、もう1件は「吉敷賢一郎議員に対する問責決議案」です。結果は、どちらも否決でした。

しかし、決議案の文章だけでは、なぜこのような事態になったのか、背景や当事者の認識までは十分に見えてきません。

そこで今回、一般質問で問題を提起した小林透議員に、直接インタビューを行いました。

なお、吉敷賢一郎議員にも取材を申し込みましたが、センシティブな内容であることを理由に辞退されました。本記事はハラスメントの有無を断定するものではなく、公開資料と小林議員への取材内容を分けて紹介するものです。

まず、何が起きたのか

2026年6月12日、小林透議員は川越市議会の一般質問で「ハラスメントについて」を取り上げました。これは、川越市議会が公開している一般質問通告一覧でも確認できます。

小林議員はインタビューの中で、同年2月の行政視察と3月17日の保健福祉常任委員会散会後に、同じ女性職員に対する議員の身体的な接触を目撃したと説明しました。

小林議員自身が直接の被害者だったわけではありません。また、ハラスメントを正式に認定する立場でもありません。

それでも、公務の場でその様子を見た一人として不快感を覚え、議員と職員の適切な距離感について問題提起する必要があると考えたそうです。

令和8年第3回定例会・一般質問通告一覧

小林透議員に対する問責決議案

一般質問後の6月24日、倉嶋真史議員から「小林透議員に対する問責決議案」が提出されました。

決議案では、小林議員が一般質問で「セクシャルハラスメントがあった」と断言する趣旨の発言をしたものの、十分な事実確認に基づくものではなかったと指摘しています。

さらに、対象となった職員にはハラスメントを受けた認識がなく、小林議員の発言によって精神的な苦痛を受けたとして、小林議員に反省を求める内容でした。

これに対し、小林議員はインタビューで、次のような趣旨の説明をしています。

「ハラスメントだと100%断定したのではなく、ハラスメントに当たる、またはそれに近い行為だったと発言した」

つまり、小林議員側は「問題提起」であり、ハラスメントを正式に認定したものではないという認識です。

この問責決議案は、採決の結果、否決されました。

小林透議員に対する問責決議案

吉敷賢一郎議員に対する問責決議案

同じ6月24日には、小林透議員から「吉敷賢一郎議員に対する問責決議案」も提出されました。

こちらの決議案では、3月17日の保健福祉常任委員会散会後、女性職員への花束贈呈の際に、吉敷議員が膝を床につけて花束を差し出したことや、女性職員の肩に手を回したことなどが記載されています。

そのうえで、この行為が周囲に不快感や不信感を与える「環境型ハラスメント」に当たるとして、吉敷議員に猛省を求める内容となっていました。

ただし、これはあくまで提出された決議案に書かれた主張です。この決議案も否決されており、川越市議会としてハラスメントを正式に認定したわけではありません。

吉敷賢一郎議員に対する問責決議案

「両方否決」で終わらせてよいのか

川越市議会が公表した議決結果によると、2件の問責決議案はいずれも否決されています。

しかし、否決されたからといって、それだけで事実関係がすべて明らかになったわけではありません。

公開資料から確認できるのは、異なる主張を含む2件の問責決議案が提出され、どちらも議会の意思としては採択されなかったというところまでです。

小林議員は、今後、政治倫理審査会などの正式な場で調査が行われる場合には、全面的に協力したいと話していました。

令和8年第3回定例会・議決結果一覧

川越市議会にはハラスメント根絶条例がある

川越市議会では、2019年3月に「川越市議会ハラスメント根絶条例」が施行されています。

条例では、議員に対して高い倫理観を持つことや、職員の人格を尊重して活動することを求めています。

また、議員によるハラスメントが疑われた場合には、本人が誠実に疑惑の解明に当たること、ハラスメントに当たる言動を目撃した議員は、行為者に慎むよう指摘することに努めると定められています。

今回の問題は、単に「どちらの議員が正しいのか」という個人間の対立だけではありません。

条例が実際にどのように運用されるのか、問題が提起されたときに誰が事実を調査し、どのような手順で判断するのかという、議会の仕組みそのものが問われています。

川越市議会ハラスメント根絶条例

「先輩議員には意見を言いにくい」議会の空気

インタビューで特に印象に残ったのは、議会内の先輩・後輩関係についての話でした。

小林議員は現在1期目で、議員経験としては後輩に当たります。一般質問で先輩議員に関係する問題を取り上げることには、相当な覚悟が必要だったと話していました。

年長者や先輩に敬意を払うことは、もちろん大切です。私自身も防衛大学校で、先輩・後輩の関係を重んじる環境を経験してきました。

一方で、市議会議員は、それぞれが市民から票を託された市民の代表です。

当選回数や年齢に違いがあっても、必要な問題提起ができなかったり、率直な議論が妨げられたりするのであれば、議会の健全性にも関わります。

敬意は必要です。しかし、問題について声を上げない理由になってはいけないと私は考えます。

私が今回のインタビューで感じたこと

今回の問題を、「議員同士のけんか」や「どちらも否決されたから終わり」と片づけてはいけないと感じています。

ハラスメントに当たるかどうかの判断には、行為の内容だけでなく、当事者の受け止め、周囲への影響、公務上の関係性など、複数の観点が必要です。

だからこそ、議員個人の主張の応酬で終わらせるのではなく、必要に応じて正式な手続きによる事実確認を行い、再発防止につなげることが重要です。

また、市民が判断するためには、一方の主張だけでなく、双方の説明や議会としての対応が公開されなければなりません。

今回は小林議員に話を伺うことができました。もう一方の当事者にも、今後説明したいという意向があれば、取材の機会を設けたいと考えています。

議会の内側を、市民に開いていく

市議会の中で起きていることは、市民からはなかなか見えません。

しかし、議会は議員だけのものではなく、市民のためのものです。

私はこれからも「若い感覚で古い政治を開く」をモットーに、公開資料や議会中継を確認し、必要に応じて当事者にも話を聞きながら、川越市政を分かりやすくお伝えしていきます。

ぜひ今回のインタビュー動画もご覧いただき、皆さん自身で考えていただければと思います。

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著者

徳宮 勇気

徳宮 勇気

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肩書 フリーランス / 自衛隊支援協会理事長
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