12月議会では、新・唐津市市民会館が140億円を超える予算執行となり、大きな話題となりました。
「終わったことだから仕方がない」という方も多くいますが、私はそうは思っていません。
これからの市政、新・唐津市民会館から何を学ぶのか?それが試されるのが、「歴史民俗資料館」だと思っています。
市民会館は新築で、歴史民俗資料館は、県の重要文化財という違いはありますが、共通の課題があります。
新・唐津市民会館は、総事業費約142億円、という唐津市の人口規模や財政からすると明らかに身の丈に在っていない予算規模自体も大きな問題ですが、それ以上に
・現状分析、課題の整理
・具体的な利活用計画や戦略
・持続可能な運営をしていくための予算計画
の議論が十分になされないままに建物、ハード整備が先行しました。
コンサルに1千万円ほど予算を投じて作らせた計画書があり、一通り読みましたが従来の市民会館の利活用と大差もなく、とてもとても、具体的かつ、戦略的とは言い難い内容でした。
また、当初の60億円という予算の枠組みの決め方も、「合併特例債」という、市町村合併後20年が活用期限の国の有利な補助金の残額を目安にするという決め方。
そういう状況で理想を詰め込み、思いのほか建設費が膨らみ、その後議会からの追及で減額案を検討したが、物価高で、結局142億円となった…。
結果として、曳山会館の入場料は倍にしても、行政管理コストも含めると年間約1.3億円近い運営赤字が見込まれています。これでは、市民はなかなか納得できないのは当然です。
そして、この責任は提案した行政だけではなく、その内容で、予算を可決してきた、当時の議会にもあります。
しかし、今回、議会が14名の新人議員となりました。その意義の一つはこれから公金を活用して、ハコモノに投じる際に、同じ事を繰り返さないためにはどうしたらよいか?を実現することだ、と思っています。
そこで、これから改修工事が予定されている「旧歴史民俗資料館」について、です。
現在は、県の重要文化財であり、将来的には国の重要文化財を目指すという、唐津にとって非常に貴重な歴史的建造物です。
今年度は、保存修復に向けた基本設計の予算が消化され、来年度は実施設計、その後、工事へと進む予定だそうです。
そして、これまでの議会でわかったことは、補修・修繕だけでも、概算で約10億円はかかるだろうということ…。
付属施設などを含めれば、さらに予算が膨らむ可能性もあります。ですが、ここまでの経過を調べてみると、やはり「プロセスマネジメント」が実施された経緯は見当たらず、計画の審議メンバーも保存修復の専門家が中心で、「保存修復」のみの議論に終始していました。
ほっておくと、ただ建物だけが修繕されて、来館者数も少ない現状のまま、年間運用赤字が当然のよう膨らむリスクをはらんでいます。
新唐津市民会館の教訓は、
・現状分析や課題の整理
・明確なコンセプトや目標の設定
・誘客を最大化する利活用計画
・唐津の文化観光情報発信
・持続可能な運用収支計画は
といった、保存と合わせて利活用と持続可能な運営の議論を十分に尽くし、戦略を練った上で、ハード整備を進めていく事だと思っています。
「修復すること」が目的ではなく、
修復した先に、どんな未来をつくるのか?
今、市政は大きな宿題を課せらられています。
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