2026/5/23
大規模立体駐車場計画に異議を唱えます。
今、伊勢市で進められている運動公園の森への立体駐車場建設計画。市議会では共産党を除いた賛成多数という構図の中、地元住民は署名活動という「最後の抵抗」に出ています。
はっきり言います。
この構図は健全ではありません。
なぜなら、本来まちづくりは「住民の理解と納得」の上に成り立つべきものだからです。それが今回、「選挙後に初めて知った」という声が出るような進め方になっている。
この時点で、民主的なプロセスとして大きな問題を抱えています。
伊勢神宮内宮周辺は、単なる観光地ではありません。日本人の精神文化の象徴とも言える場所です。その空間の価値は、「自然」「静けさ」「歴史」が一体となって成立しています。
そこに鉄筋コンクリートの巨大構造物を持ち込む。
それは単なる施設整備ではなく、「景観の破壊」です。
おかげ横丁がなぜ成功しているのか。それは「便利だから」ではありません。「あえて昔のままを守っているから」です。
今回の計画は、その根本思想と明らかに矛盾しています。
さらに問題なのは、「他に方法があるにも関わらず、それが十分検討されていない可能性」です。パークアンドライド、交通分散、シャトルバスの高度化――やるべきことはまだあるはずです。
現在、市側はパークアンドライドの継続が難しい理由として、運転手不足や用地の問題など、複数の課題を挙げているようです。確かに、それらは簡単な問題ではないと思います。
しかし、それでもなお疑問が残ります。
本来、これからの時代に求められるのは、「車を中心に集めるまちづくり」ではなく、むしろ「公共交通や分散型交通をどう維持するか」を考える方向ではないでしょうか。
全国では、環境負荷を減らし、歴史景観を守るために、むしろパークアンドライドを工夫しながら継続・強化する事例もあります。
にもかかわらず、パークアンドライド縮小の流れと並行して、大規模な立体駐車場建設へ進むことには、大きな違和感があります。
結果として、「車をさらに呼び込む方向」に進んでしまうのではないか。
そしてそれは、本当に伊勢が目指す未来なのでしょうか。
もちろん、渋滞対策は必要です。観光客の利便性も大切です。しかし、伊勢の価値は「便利さ」だけではありません。
少し不便でも、静かで、自然が残り、歴史と調和した空気がある。
だからこそ、多くの人が伊勢に特別な魅力を感じているのではないでしょうか。
加えて、建設費・維持費の問題もあります。人口減少社会において、巨大インフラは将来的に「負の遺産」になるリスクを常に抱えます。
誰が責任を取るのでしょうか。
地元の声がこれだけ上がっている中で、なお押し切るのであれば、それはもはや「開発」ではなく「押し付け」です。
伊勢はこれまで、「変えないことで価値を高めてきたまち」です。
その伊勢が今、自らその強みを手放そうとしている。
私は、それに強い危機感を覚えます。
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バン タケヒロ/63歳/男
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