2026/5/23
本当にこの進め方でいいのでしょうか。
伊勢市で進められている運動公園の森への立体駐車場計画。
私は前回、この計画そのものへの疑問を書きました。
しかし今回、さらに強く感じているのは、「計画の内容」以前に、その進め方です。
正直に言えば、あまりにも市民不在ではないでしょうか。
昨年から一部ではこの話が聞こえていたとはいえ、多くの市民が計画を具体的に認識したのは、ごく最近です。市民への大きな説明会や丁寧な周知が行われた印象もほとんどありません。
しかも今の伊勢は、地域を挙げての御木曳き行事の真っ最中です。
市民の関心や労力がそちらへ向いている、このタイミングで話が進んでいく。
「なぜ今なのか」
そう感じている市民は少なくないはずです。
もちろん行政には行政のスケジュールがあるでしょう。しかし、伊勢にとって特別な意味を持つ森の問題です。本来なら、市民全体を巻き込んだ議論が必要だったのではないでしょうか。
さらに気になるのは、市議会の状況です。
昨年11月に選挙があり、若手新人議員も多数当選しました。本格的に議会が動き出すのは、まさにこれからです。
右も左も分からない新人議員に対して、「渋滞解消のため」という分かりやすい説明だけで理解を求めてはいないでしょうか。
もちろん、渋滞問題は現実にあります。しかし今回の問題は、単なる交通政策ではありません。
伊勢神宮内宮周辺の景観、歴史、自然環境、そして伊勢というまちの未来像そのものに関わる問題です。
にもかかわらず、議会では今のところ反対を表明しているのは共産党議員のみだと聞きます。
本当に、それでいいのでしょうか。
自然保護を訴えて支持を集めた議員。
「新しい政治」を掲げて当選した議員。
東京など外から伊勢に魅力を感じて来た議員。
その皆さんも、この計画に賛成なのでしょうか。
もしそうなら、市民は何を信じればいいのでしょう。
伊勢では、市役所出身者が議員になるケースも少なくありません。地方ではよくあることとはいえ、行政と議会の距離が近すぎることで、「チェック機能」が弱くなる危険性があります。そこには忖度や不正も見え隠れするからです。
市長提案に対して、本当に独立した立場から議論できているのか。
市民が今、不安を感じているのはそこです。
そしてもう一つ大事なのは、この計画が結果的に「さらに観光車両を市内へ呼び込む」方向になりかねないということです。
本来、歴史都市や観光地では、「どう車を減らすか」「どう分散させるか」を考える時代です。
ところが今回の計画は、大型駐車場を造ることで、逆に車を集める方向へ進んでしまう可能性があります。
それは本当に、伊勢の未来に合った選択なのでしょうか。
おかげ横丁が評価されてきたのは、「便利さ」だけではありません。
少し不便でも、昔ながらの空気が残っている。
自然と歴史が調和している。
その“伊勢らしさ”こそが価値だったはずです。
森は、一度壊せば元には戻りません。
だからこそ今、市民一人ひとりが「本当にこの進め方でいいのか」を考えるべき時だと思います。
政治は、行政のためにあるのではありません。
市民のためにあるものです。
伊勢の未来を決めるのは、一部の人ではなく、市民全体であるべきです。
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バン タケヒロ/63歳/男
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