2026/7/25

ふるさと納税という言葉は、広く知られるようになりました。
「自己負担2,000円で返礼品を受け取れる制度」というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、
までは、意外と知られていません。
今回は、ふるさと納税の基本的な仕組みと、本庄市との関係について、お伝えします。
長文ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。
ふるさと納税は、自分が応援したい都道府県や市区町村に寄附できる制度です。
寄附額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで所得税や住民税から控除されます。
「ふるさと」という名称ですが、寄附先は自分の出身地に限られません。
お世話になった地域、好きな地域、応援したい取組がある自治体などを自由に選べます。
自治体によっては、寄附金の使い道を選ぶことができるほか、地域の特産品などが返礼品として贈られます。
ただし、税金が単純に安くなる制度ではありません。
先に自治体へ寄附を行い、必要な手続きをすることで、所得税や翌年度の住民税が調整される仕組みです。

例えば、控除上限額の範囲内で、年間合計5万円をふるさと納税した場合を考えてみます。
この「自己負担2,000円」は、原則として寄附するたび、自治体ごとに負担するものではなく、その年の寄附総額に対するものです。
ただし、控除を受けられる上限額は、所得や家族構成、医療費控除や住宅ローン控除などによって異なります。
上限を超えた寄附分は、そのまま自己負担となるため注意が必要です。

ふるさと納税は、寄附をしただけでは税金の控除を受けられません。
控除を受ける方法は、大きく分けて「確定申告」と「ワンストップ特例制度」の二つです。
同じ自治体に何回寄附しても、寄附先は「1自治体」と数えます。
ワンストップ特例の申請期限は、原則として寄附した翌年の1月10日です。現在は、オンラインで申請できる自治体も増えています。
なお、ワンストップ特例を申請した後に、医療費控除などのために確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。
その場合は、ふるさと納税分も含めて確定申告する必要があります。

ふるさと納税を自治体側から見ると、二つのお金が動きます。
一つは、全国の方から自治体へ入ってくる寄附金です。
もう一つは、その自治体の住民が他の自治体へ寄附することによって減少する住民税です。
本庄市の状況を考える場合も、
を合わせて見る必要があります。
ただし、本庄市民が他の自治体へふるさと納税をしたからといって、市民税の減収分がそのまま本庄市の負担になるわけではありません。
本庄市は普通交付税の交付団体であるため、ふるさと納税による市民税の減収額のうち、原則75%相当は、地方交付税の算定を通じて国から措置されます。
要するに、本庄市の市民税がふるさと納税によって1万円減った場合、その約4分の3に当たる7,500円は地方交付税で補われます。本庄市の実質的な減収は、基本的に残る約4分の1の2,500円ということです。
そのうえで、本庄市が市外から受け入れた寄附金から、返礼品や送料、ポータルサイト手数料などの経費を差し引き、最終的に市にいくら残ったのかを見る必要があります。
単に「いくら寄附を集めたか」だけでは、本庄市にとっての実質的な効果は分かりません。

令和6年度に本庄市が受け入れたふるさと納税は、
でした。
寄附額は、令和4年度の約5,917万円、令和5年度の約1億1,899万円から大きく増加しています。
令和6年度の主な使い道は、
などです。
実際に、シティプロモーション事業や保育所の遊具整備、プールサイド用マットの購入などにも活用されています。
返礼品には地域の商品が使われるため、ふるさと納税には寄附金の確保だけでなく、本庄市の魅力発信や市内事業者の販路拡大につながる側面もあります。

令和6年度の全国のふるさと納税受入額は、約1兆2,728億円、受入件数は約5,879万件に達しました。
多くの方が利用する制度となった一方、返礼品競争の過熱や、送料、広告費、ポータルサイト手数料などの経費も課題となっています。
寄附額が増えても、募集のために多額の費用がかかれば、自治体が地域の事業に活用できる金額は少なくなってしまいます。
こうした状況を受けて、ふるさと納税のルールが段階的に見直されます。

ふるさと納税では、寄附金のすべてを自治体の事業に使えるわけではありません。
返礼品の調達費、送料、ポータルサイトの手数料、広告費、事務費などが必要です。
現在は、これらの募集費用の合計を、寄附額の50%以下にすることとされています。
令和8年10月からは、自治体が地域の事業に活用できる金額を増やすため、募集費用の上限が段階的に引き下げられます。
| 適用時期 | 地域の事業に活用できる割合 | 募集費用の上限 |
|---|---|---|
| 令和8年10月から | 52.5%以上 | 47.5%以下 |
| 令和9年10月から | 55%以上 | 45%以下 |
| 令和10年10月から | 57.5%以上 | 42.5%以下 |
| 令和11年10月から | 60%以上 | 40%以下 |
つまり、令和8年10月から直ちに募集費用が40%以下になるわけではありません。
令和8年10月から段階的に引き下げられ、令和11年10月から40%以下となります。
要するに、返礼品や送料、手数料などに使う割合を少しずつ減らし、寄附金を地域のために使える割合を増やしていくという変更です。
製造・加工品を地域の返礼品として扱う場合、その自治体内で行われた工程によって、返礼品の価値の過半が生じていることが求められています。
令和8年10月からは、対象となる返礼品について、
といった対応が必要になります。
制度の透明性を高め、過度な返礼品競争を抑えることが目的です。
その結果、返礼品によっては、寄附金額や内容量の変更、取り扱いの終了などが生じる可能性があります。
一方で、市内事業者にとっては、商品の価値や製造工程を明確に示し、本庄市の商品を全国に知っていただく機会にもなります。

ふるさと納税は、返礼品を受け取れる制度であると同時に、自分が応援したい自治体や事業を選んで寄附できる制度です。
本庄市にとっても、寄附金を確保するだけでなく、地域の産品や事業者を全国に知っていただく機会になっています。
一方で、寄附を集めるために多額の経費を使えば、実際に地域のために活用できる金額は少なくなります。また、本庄市民が他の自治体へ寄附することで、本庄市の市民税が減少する側面もあります。
そのため、本庄市としても、単に寄附額だけを見るのではなく、
まで検証し、市民の皆さんに分かりやすく示していくことが大切だと考えます。
ふるさと納税を「返礼品を選ぶ制度」としてだけでなく、「自分の寄附が、どの地域で、何に使われるのか」という視点から考えることも大切ではないでしょうか。
参考資料:
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