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上天草市の人口減少は高齢化だけではない 社会減が止まらない現実

2026/5/24

宇土市の知人との会話を思い返しながら、私はもう一つ考えました。

人口減少の話になると、よく
「高齢化が進んでいるから仕方ない」
と言われます。

たしかに、それは一面では正しいです。
高齢化が進めば、亡くなる人が増えます。
地方ではどこも簡単ではありません。

でも、それだけなら、宇土市も同じです。
全国の地方都市も同じです。

なのに、なぜ上天草はここまで減り方が大きいのか。
そこを見なければ、本当の対策にはつながらないと思います。

人口は、基本的に二つの要素で決まります。

一つは、自然増減
生まれる人と、亡くなる人の差です。

もう一つは、社会増減
転入してくる人と、転出していく人の差です。

そして、上天草市の人口ビジョンには、本市の総人口は転出数が転入数を上回る社会減の影響で急激に減少し、その後は自然減も生じ、さらに社会減と自然減が拡大したことで人口減少が急速に進行している、と整理されています。
これは、いまの人口減少が「高齢化だけ」で起きているのではないことを、市自身が示しているということです。

つまり、上天草の人口減少は、
亡くなる人が多いからだけではない。
入ってくる人より、出ていく人のほうが多い。
そこが大きいのです。

私は、ここに上天草の一番大きな問題があると思っています。

上天草は魅力がないから人が来ない、とは思いません。
魅力はある。
でも、暮らす場所として選ばれる条件づくりが足りなかった。

そこではないでしょうか。

働く場はどうなのか。
住まいの選択肢は十分なのか。
子育てしながら暮らしやすいのか。
通勤、通学、買い物、医療。
毎日の暮らしが現実的に成り立つのか。

観光地としての魅力と、暮らす場所としての魅力は、同じではありません。
そこを混同してきたところがあったのではないか。
私はそう感じています。

これから先、熊本方面とのアクセス改善は期待されています。
上天草市も熊本天草幹線道路「大矢野道路」に関する情報を発信していて、2025年2月には新大矢野トンネル(仮称)の貫通式も行われました。
人の流れが変わる可能性は、確かにあります。

実際、登立インター周辺では、民間の動きも目に見える形で出てきています。
これは、上天草にとって一つのチャンスだと思います。

でも、そのチャンスを民間任せにしていて、本当にいいのでしょうか。

道路ができる。
人の流れが変わる。
それだけで、上天草に人が定着するわけではありません。

本来なら、こういう変化が見えてきた今こそ、行政が前に出るべきです。

住まいをどうするのか。
子育て世代の受け皿をどうつくるのか。
通勤しやすい地域に、どう定住を促すのか。
空き家をどう活かすのか。
「通るまち」から「住むまち」に変えていく努力を、本気でしなければならない。

私は、いまの上天草の人口減少は、
高齢化だけの問題ではなく、
社会増減で支えられていない結果だと思っています。

だから必要なのは、言い訳ではありません。
本気で、人に選ばれるまちをつくることです。

それを今やらなければ、10年後、上天草はもっと厳しい現実に向き合うことになる。
私は、そう強く感じています。

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著者

何川 雅彦

何川 雅彦

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肩書 市議会議員/会社役員
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