能登半島地震、あの映像を見て、皆さんは何を感じたでしょうか。
断絶した上下水道が復旧するまでの、気の遠くなるような時間。
蛇口をひねっても水が出ず、トイレすら流せない暮らしがいかに過酷か、
私たちは改めて思い知らされました。
ものづくりの現場で「不具合を未然に防ぐ設計」と「確実な納期管理」を叩き込まれてきました。
その視点で、大阪市が令和7年に策定した「上下水道耐震化計画」を厳しくチェックしてみると、
非常に気になる数字が見えてきます。
この計画では、南海トラフ巨大地震に備え、
災害時の命綱となる「重要施設」の耐震化を最優先に進めるとしています。
具体的には、応急給水拠点となる広域避難場所34施設と、
救急医療の拠点となる災害医療機関93施設の、
合計127施設を「急所」として位置付けています。
しかし、職人の目として「納期」の部分に目を向けると、大きな違和感を拭えません。
令和11年度までの4年間で耐震化を完了させる目標は、127施設のうち、
わずか「50施設」にとどまっているんです。
残りの77施設は、もしこの4年間に地震が起きた際、
本当に「水が流れる」保証があるのでしょうか。
重要施設への管路は、いわば都市の「急所」そのものです。
そこが止まれば、病院での救命活動も、避難所での衛生管理も一気に崩壊します。
現場で働く人間からすれば、急所の修理を半分以上残したまま、
他の作業を優先するような工程表は、決して認められません。
それなのに、今の大阪の政治はどうでしょうか。
華やかなIRや梅田再開発や関空からの一本化などの巨大開発には、
莫大なエネルギーと予算が注ぎ込まれています。
私は特定の政党を批判したいわけではありませんが、「是々非々」の立場で、
優先順位が間違っていないか問い続けたいんです。
大阪市に3,000億円もの貯金「財政調整基金」があるのなら、
まずこの「急所の100%耐震化」のスピードを上げることに、
もっと大胆に投資すべきではないでしょうか。
もちろん、過去の負の遺産の償還のために必要な分はあります。
ただ、災害拠点病院に繋がる管路ですら、優先して取り組むとはしながらも、
まだ道半ばという現状を、私たちは直視しなければなりません。
行政はよく「計画的に着実に進めている」と言いますが、
職人の世界では「納期に間に合わなければ、それは不良と同じ」です。
地震は私たちの都合を待ってはくれません。
私は「とりあえず駅に立って名前を連呼する」事よりも、
まずはこうした「設計図の不備」を1円単位、1メートル単位で検証し続け、
皆さんに可視化して伝えていきたい。
その上で分かりやすい言葉で皆さんの前に立ちたい。
国政政党の看板や、首長の顔色を窺う必要のない無所属だからこそ、
おかしいことはおかしいとはっきり言えます。
作業着姿で、大阪市の膨大な予算書と格闘する。
そして、平野区の皆さんの足元にある「急所」が本当に守られているか、
この目で現場を確認し、必要なら「修理」を迫る。
それが、私が目指す「実務家」としての議員の姿です。
改革の次に必要なのは、さらなる看板政策ではなく、冷徹な「検証」です。
万が一の時、後悔しないための大阪を、皆さんと共に作り上げていきましょう。