2026/6/13
150億円規模の建て替えから、既存施設の活用へ
6月12日の区民生活委員会で、練馬区立美術館・貫井図書館・サンライフ練馬の再整備計画の見直しについて報告がありました。吉田区長は、これまで進めてきた改築計画について、建設費があまりにも高額であることから見直し、現在の建物を有効に活用することを基本とする方針を示しました。
私はこれまでも、当初76億円とされていた事業費が150億円規模にまで膨らむ中で、計画をこのまま進めるべきではないと訴えてきました。今回、建て替えを白紙に戻し、既存施設の活用へ舵を切ったことは、大きな転換点です。
■ まずは半年かけて現況調査
区は今年度、美術館、貫井図書館に加え、サンライフ練馬も対象に、建物の現況調査を行います。コンクリートの強度や中性化、設備の劣化状況などを確認し、バリアフリーや老朽化への対応もあわせて検討するとのことです。
委員会の資料はこちらをご覧ください。
【資料13】練馬区立美術館・貫井図書館の再整備計画の見直しについて

(出典:練馬区 区民生活委員会資料)
委員会で私は、現在の施設を何年程度使い続ける前提なのかを確認しました。数年の暫定利用なのか、10年、20年単位で使い続けるための長寿命化なのかによって、必要な改修内容は大きく変わります。区の答弁は、まさに今回の調査でその方向性を見極めるというものでした。
調査期間はおおむね半年、休館は予定していないとのことです。調査して終わりではなく、結果を区民に分かりやすく公表し、どこを、いつ、いくらで改修するのか、優先順位を示す必要があります。
一方で、すでに動いてしまった契約もあります。エレベーター設置工事については、契約解除に向けて事業者と協議を始めるとのことです。契約金額は約2億7千万円。前払金の扱い、返還の有無、損害賠償が発生するのかは、今後の協議に委ねられています。区民の税金に関わる以上、確定次第、速やかに議会と区民へ報告すべきです。

(出典:練馬区 区民生活委員会資料)
クラウドファンディングについても、新規受付を停止し、これまで寄付された68件、35名、約224万円について、区が個別に説明し意向を確認するとのことです。寄付された方は、当初示されていたデザインや機能に期待して寄付されたはずです。返金を希望する場合には、寄付控除との関係で修正申告が必要になる可能性もあり、丁寧な対応が不可欠です。

(出典:練馬区 区民生活委員会資料)
区は、中村橋が「美術館のあるまち」であることは変わらないとしています。そのこと自体に異論はありません。道路整備や商店街活性化など、中長期的なまちづくりは引き続き大切です。
ただし、これまでの「アートのあるまちづくり」は、建て替え計画を前提に組み立てられてきた部分もあります。今後は、以前の建築案に結びついた部分と、地域のまちづくりとして継続すべき部分を整理し直す必要があります。
今回の白紙化は、終わりではありません。むしろ、ここからが本番です。
美術館の展示・収蔵環境、図書館の閲覧席や子どものスペース、ワークスペース、交流の場、サンライフ練馬の空きスペース活用。既存施設を残すからこそ、区民の声を聞きながら、一つひとつ改善していく必要があります。
150億円の建て替えではなく、今ある施設を大切に使い、より良い公共施設にしていく。そのために、調査結果、費用、スケジュール、寄付者対応をしっかり確認し、区民に開かれた議論を求めていきます。これまでの訴えはこちらをご覧ください。

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