2026/6/14
区民のための財源が流出しています。
6月12日の区民生活委員会で、ふるさと納税による練馬区への影響について確認しました。
練馬区では、ふるさと納税による住民税の控除額、つまり区の減収が年々拡大しています。令和2年度は約23億円、利用者は約4.3万人でした。それが令和7年度には約56億円、利用者は10万人を超えています。さらに令和8年度は、区の見込みで64億円、ほぼ65億円に達する見通しです。
65億円というと、なかなか実感が湧きません。しかし、これは特別区民税歳入予算の約8%にあたる規模です。区民約75万人で割ると、一人あたり約8,600円。保育、教育、高齢者福祉、障害者支援、道路、公園、防災など、区民生活を支えるための大切な財源が、毎年これだけ外へ出ていくことになります。
令和7年度の利用率は、住民税を納める方の約4人に1人。令和8年度には3割近くまで増える可能性があります。もはや一部の人だけの制度ではありません。

(出典:総務省 ふるさと納税に関わる現況調査から作成、令和3年度、令和8年度の人数は区の数値を基に試算)
さらに深刻なのは、制度全体として自治体が損をしていることです。
報道では、会計検査院の調査として、2024年度決算で全国の自治体全体に863億円のマイナス影響が生じたとされています。寄付が集まっているように見えても、返礼品、送料、仲介サイトへの手数料、委託費などが差し引かれ、自治体に残るお金は大きく減ります。
つまり、住民が暮らす自治体は税収を失い、寄付を受けた自治体も経費で目減りする。その一方で、仲介サイトや委託業者などの中間業者には手数料が流れていく。これでは、本来の「地方を応援する制度」から大きく外れています。
練馬区はこれまで、返礼品競争には加わらない姿勢を取ってきました。その考え方は理解できます。豪華な返礼品で寄付を奪い合うことが、自治体の本来の役割ではないからです。
一方で、委員会では、23区のうち返礼品を導入していないのは練馬区を含めて3区のみで、20区はすでに導入しているとの説明がありました。区も、制度の廃止を含む抜本的見直しを国に求める一方で、返礼品も含め「あらゆる選択肢を排除せず検討する」と答弁しました。
大切なのは、返礼品を導入すること自体を目的にしないことです。目的は、区民サービスを守ることです。
検討するのであれば、単なる物品競争ではなく、練馬の農業、アニメ、文化、商店街、体験型メニューなど、地域の魅力を発信し、区内事業者にもつながる形にすべきです。
ふるさと納税を利用する区民を責めるのではありません。問題は、自治体同士を競争させ、税金を目減りさせ、中間業者に利益が流れる制度のゆがみです。
練馬区として、国に制度の見直しを求め続けること。同時に、現行制度の中で区民サービスを守るために何ができるのか。引き続き訴えていきます。これまでの訴えはこちらをご覧ください。

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